「通訳ガイドになりたい…」と漠然と思うようになったのは、病気で16年間勤めた職場を辞めた後、自宅療養を続けていた時です。ひどい頭痛と目眩でほとんど1日中ベッドから出ることができず、薬の影響で朦朧とする頭で「これからどうするか」を不安な気持ちで考えていたとき、「通訳ガイド」のことが頭に浮かんできたのです。学生の頃からボランティア国際交流グループのメンバーとして外国籍府民を対象にしたウォーキングツアーなどを企画・運営していました。大学では一応英文学を専攻でしたし、卒業後もコツコツと英語を勉強してきました。何より、京都のお寺や神社、日本の歴史が好きでしたので「日本や京都のことを、外国から来られたお客様に英語で紹介することを仕事にできたら。」と思うようになりました。一向によくならない病状に苛立ちながら、せめてもの心の慰めが「通訳ガイドになる!」という思いでした。
しかし、それまで「通訳ガイド試験」について調べたことがなく、とりあえずテスト対策の参考書や問題集を買って読んではみるものの、どのように勉強をすればよいのか分からないうちに3月を迎えてしまい、かなり焦ってきた頃、アイビー外国語アカデミーで「通訳ガイド養成コース」があることを知り、藁をもつかむ気持ちで受講することにしました。授業は週二回で、毎回予習と復習にかなりの時間を費やし、またクラスで行うプレゼンテーションに対するプレッシャーに負けそうになりながら、何とか半年間のコースに通った結果、1次試験(英語筆記、日本地理・歴史・一般常識)と2次試験(面接)に無事合格することができました。もし、アイビーに通わず、暗中模索の状態でいたら、おそらく1次試験で不合格になっていたと思います。
現在は、京都のツアーを中心に、他の関西圏や関東、中部、中国地方などを巡るツアーも手がけるようになりました。アイビーの通訳ガイドコースでは、試験に合格するための勉強だけでなく通訳の基礎練習(リテンション、シャドーイング等)も含まれていて、通訳ガイドとして仕事を始めてからその時の練習が大変役に立っています。また、アイビー通訳ガイドクラスの在校生や修了生は「通訳ガイド研究会」に参加することができ、日本や京都の文化を学ぶとともに、ガイドの先輩からアドバイスを受けたり、ガイド仲間と情報交換する貴重な機会となっています。
昨年からは、私自身が「通訳案内士養成コース」の講師を務めることとなり、通訳案内士を目指しておられる方の助けに少しでもなれればと、私の行った勉強方法や、通訳ガイドの仕事も紹介しながら、授業を行っています。通訳ガイドの仕事は、大変な面がある反面、本当にやりがいのある仕事です。もし、少しでも興味をお持ちの方がおられましたら、一度見学にお越しください。
2009年5月
石田 豊人
2004年春期「通訳ガイドコース」履修